会社のハイスぺ女子が結婚していたことを知って謎の嫉妬心に苛まれたあれは二年前のことだったか。
今読み返してもあのとき感じた嫉妬心は一ミリも思い出せないけれど。
当時二十代後半だった彼女は、今年が三十になる年かそのあたり。
先日仕事中に社報を受信した際、普段は一文字も読まないそれに目をやるとそこにハイスぺ女子が掲載されていました。
自分のお気に入りを紹介するコラムのようなコーナーで、彼女はフランス赴任も共にした愛車のことを書いてました。
車に疎いわたしでも知っている外車、その子と一緒にフランス赴任中にヨーロッパ諸国を夫さんと一緒に旅した、と。
うっ 眩しい!キラッキラ!!
とは思ったけれど、不思議とうらやましくは感じませんでした。
そしてさらには彼女が現在は管理職であることを知りました。
その若さで女性で管理職は会社的にもかなりレア。

絵に描いたような成功人生送ってるなぁ~
と思うも、これにも特に嫉妬心は湧きませんでした。
芸能人の結婚報道を見たときに

ああ~ 既婚者になられたかぁ~
と謎に残念に思うこともあれば一切なんの感情を持たないときもあるのですが、その感じ。前回は前者、今回は後者。
あれは結婚した方をわたしがどれほど好意的に見ていたかによって変わるのかしら?
その人への好意が大きいほど「ちょっと残念」に思う心理?
とはいえ、好意が特大になると

良かったね~ 幸せになってね~
の気持ちになるわけで、人間心理は複雑ですこと。
今回嫉妬心を感じなかったのは彼女がもはや遠すぎるせいな気もするし、良くも悪くも彼女に興味がないからな気もするし、わたし自身が満ち足りているからな気もするし、出世に魅力を感じていないからな気もするし。
人と自分を比べたって全然良いことないんだから、今回は変に気持ちが揺れたりしなくて良かった。
そんなことより彼女の出世を知って最初に思ったのは、新社会人になったばかりの彼女を泣かせたさんのことです。
非の打ち所がないハイスぺ女子に、重箱の隅をつつくような内容で陰口を言って。
わたしのときもそうでしたが、ギリ「自分が言われてるなぁ~」とわかるところで言うんですよね。
でも彼女は負けなかった。
ここでわたしを含む大抵の人は「お局さん怖い」になってお局さんとの接触を避け始めるのですが、彼女はその後も委縮を見せずにお局さんに対応しました。
あれから七年。彼女は今や管理職。
お局さん(※平社員)をどうとでもできる側に立ちました。
けれど、彼女は強い人だからお局さんに報復したりはしないのでしょう。
きっとあの陰口すら成長の肥やしにしたか、「そんなことありましたっけ?」と忘却されていることでしょう。
人は多かれ少なかれ「陰」の要素があるけれど、彼女のような限りなく「陽」に見える人は色んな人の「陰」を磁石のように引きつけていると思う。
七年前に彼女が配属されてくると決まったとき、わたしのまわりの席の男性社員たち(全員二十代の若手)が

今年ここに配属になった子、めっちゃ可愛いっすよ!

まじか やべ~!
と浮足立って話していました。
しかしその数ヶ月後、彼らの会話は嫉妬と苦笑と呆れのまざった

あの子、すごすぎな(引)

ちょっとマジメすぎるな…(引)
に変わっていました。
その若手たちもわたしから見たら名のある大学を出て大企業に就職したキラキラ組であったのにも関わらず、なけなしの「陰」が引っ張り出されたような会話に聞こえました。
基本的には陽側にいる人からも陰を向けられても意に介さない彼女は本当に強い。
まわりに陰らされず、自分の輝きを維持・増幅するハイスぺ女子。

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